残りの時間

 日本人男性の平均寿命は79歳。俺今23歳。後48年。60 * 60 * 24 * 365 * 48 = 1513728000より、人生の残り秒数はざっと15億秒。これは5000*2500*120の結果に等しい。すなわち、15億個のパチンコ玉を収容するのは5000cm×2500cm×120cmの直方体でよい。これはつまり、50m×25m×1.2mだから、一般的なプールの大きさである。パチンコ玉は実際は各層の隙間の上の層がかぶさっていく、六方最密充填構造をとるから、もっとちっちゃい直方体でよいかもしれない。まじめに計算すると、六方最密充填構造の充填率がπ/(3√2)らしいから、15億個のパチンコ玉を収容するには、(1500000000 * (4/3) * π * (0.5^3)) / (π / (3 * √2)) = 1.06066017 × 10^9 立法センチメートルの箱であればよい。プールの例でいうと、高さが84cmとなる。自分がそのプールに入っているとすると、もはや腰の高さである。
 要するに、プールをパチンコ玉で埋め尽くしたのを想像すると、それが俺に残された時間である。しかも、すでに、水位は腰ぐらいまで下がっている。そのプールには小さな穴が開いていて、1秒に一粒ずつパチンコ玉が零れ落ちる。玉がなくなったら、人生終わり。ほら、今この瞬間にも60粒ほど落ちたわけだ。人生は短い。充実せねば。

 P.S.面心立法構造と六方最密充填構造の充填率が同じなのは有名な話だが(きり方が違うだけ)、果たして本当にそうか、と思って、図を書いて検討していたが、特に後者の充填率を求めるのが大変だった。昔化学でやったはずだが、苦労した覚えがないのは、「ようわからんし覚えとこー」とスルーしていたからに違いない。数学として実にいい問題であると思うので、理系の皆さん是非、懐かしさとともにどうぞノシ。