「自分のアタマで考えよう」byちきりん

 人気ブロガーちきりんの本。自分の頭で考えるとはどういうことなのかを、極めて平易な言葉でわかりやすく綴った本。思考と知識の峻別の必要性から始まり、知識を分類整理しておくことの重要性で終わる。確かにそうね、という部分だけではなく、なるほどそうなのか、と初めて理解する思考のテクニックもあった点、読了の価値があったというのが、素直な読後の感想。良書だと思います。以下、備忘。

  • 「比較の基本は横と縦」。横=他社比較=国際的な視点でものごとをみること。縦=時系列比較=歴史的な観点でものごとをみること。この2×2のマトリクスで多くのことが分かる。
  • 情報収集よりも、収集した情報を「判断する基準」が大事。そして、判断する基準は「目標の姿」から導かれる。日本という国はどんな国を目標としているのか。高福祉国家なのか自己責任国家なのか。ものづくり国家なのか、脱工業化された国家なのか。その目標設定が先であり、次いで、判断基準が選択され、それに収集された情報を代入することで、とるべき行動が導出される。国家観をじっくり考えないと。
  • 階段グラフ(棒グラフを要素ごとに横にずらしたもの)が大変便利。思考の視覚化にもなり、議論の前提の共有にも役立つ。