「プロ弁護士の処世術」by矢部正秋

 修習生時代にお世話になった沖縄の銀行の方が、送って下さった本。時間がかかってしまいましたが、ようやく読了。ダイエットの話などは興味がないので、後半からやや(僕にとっては)グダグダしましたが、前半は大変ためになりました。以下、備忘を兼ねて、よいなと思ったフレーズなどをメモっておきます。

  • 未来は自分の求める範囲でしかつくり出せない。求めれば得ることができる、求めなければ得ることはない。小さな夢を見る者は小さな果実を得る。大きな夢を見る者は大きな果実を得る。それが人生の秘密である。
  • 「自分は何のために生きているか」と立ち止まって考えれば、お金に執着する意味は少ないことを知るだろう。本当に自分の求めるものを知らない人々が、お金儲けのためにただ忙しく走り回るのである。…お金を使いこなすためには、深い知恵が必要である。しっかりした金銭観をもてば、お金は最高の自由をもたらすが、間違った金銭観をもてば、身の破滅をもたらす。金貨表面には、かすかに「幸福」の文字が浮かぶが、裏には「不幸」がくっきりと刻印されている。
  • 「一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂うること勿れ。只だ、一燈を頼め。」(佐藤一斎
  • 自分の考えは支配できるが、他人の考えを支配することはできない。他人は生まれも考えも価値観も教育もすべて違うのだから、他人がどう考えるかは、どうにもならない。考え方の違う人、自己中心の人、非常識な人は、そのような考え方を持っているので、説得しても無理である。…だから時には相手の説得は諦めて、自分の考えを相手に合わせてしまうのも有効な方法である。…ベストを尽くしてもだめなら、敢然と結果を受け入れるほかはない。受け入れとも受け入れなくても現実は変わらないなら、理不尽も不条理も運命と丸ごと受け入れる。…現実は悲惨だが、現実を受け入れられないことはもっと悲惨である。
  • ビジネスの成功には広い人脈が必要だといわれているが、世間でいうほどの効果はない。広く浅い付き合いは、たいてい時間の浪費である。人脈を過大評価して時間とエネルギーを費やすより、偶然出会った「よい人」との関係を保つ方がはるかによい。
  • 深い信頼を得るためには、「こちらが譲りすぎだ」と思うくらいの利益を相手に与えることがポイントである。相手に7分の利益を与え、自分は三分とる。それでも相手は五分五分と感じるのである。