唐木名誉教授の鑑定意見(白い巨塔3)

医師たる者は悲しみのどん底にいる患者の家族から進んで解剖の申し出を得られるほどの信頼がありたいもので、それには学問に対して絶えず真摯であることと、人間としてりっぱであることの二事に尽きます、特に医師はあらゆる経験・知識・技術を兼ね備えながらも、なお至難な診断の一瞬において、限りない孤独と不安に襲われるものであるから、この医者の孤独に耐え、患者の生命の尊厳を犯すものと最後まで闘い得ることが、医者の使命であり、倫理であります。

胸を打たれた。