Rookies 卒業

 ええ映画や〜(>д<)。ベタやし演技もいまいちやけど、セリフがアツい。展開よめるけど、それでもいい。映画も漫画も小説も、経験のシンクロが共感を呼び、それが感動を増幅させると思う。物語の中に入っていくこともあれば、外から見ているのだけど同じ経験をしたことがある、といった場合に、シンパシーを感じる。そうすると、スター状態のマリオよろしく、演出がベタでもなんでも、感動してしまう。クロスさせる経験がない場合は、想像で補う。しかし、想像で補い何かを感じるということは、やはり、もう一段抽象的なレベルで、共通する経験を有していると思われるから、結局同じことだと思う。要は、シンクロする主体間の距離の問題。
 それを原因の一つとして、部活をやめてしまったから、口に出す権利はないのかもしれないけれど、スポーツ映画でプレイヤーが怪我をして試合に出たくてしょうがないのに泣きながらベンチに戻るシーンを見ると、いつも、左足のハムストリングスを断絶して試合に出れなくなったラクロスの冬の新人戦を思い出してしまう。無念、だよなぁと。
 最後の10分ちょっとが最高にいい。感謝、だよな、やっぱ。昔、「どんな人間になりたいか」と聞かれて、「正しいだろうと思うことを堂々と言える人間になりたい」と答えたことがある。川藤の言っていることは、道徳的に見て、しごくまっとうなこと。むしろ、誰もが知ってるような、当たり前のこと。でも、それゆえに、大きな声で言うことは恥ずかしいし、それを体現するこもまた簡単ではない。だから、暑苦しいくらいにまっすぐな川藤は、やっぱりかっこいいな。
 教師という仕事の美しさも再認識する、良作だった。井上的「息子に見せたい映画で賞」受賞。