沈まぬ太陽(全五巻)

 「非常に勇気と忍耐のいる仕事であったが、その許されざる不条理にたち向い、それを書き遺すことは、現在を生きる作家の使命だと思った。」と、あとがきにある。この作品は、組織体に入る人々にとって、必読であるように思う。まさに、慟哭を刻む作品である。読者は、五巻に渡る長編の最終段落までたどりついたとき、タイトルの意味を噛み締めることになるだろう。最終段落は明文として抜き出したいくらいだが、今後読まれる方のためにやめておく。国見会長のような漢になりたいな。

(追記)
 ネットで調べていたら、どうやら本作がついに映画化されるらしい。JALの反対により何度も企画が出ては立ち消えたらしいが、ついに角川がやるらしい。角川最高。さすが、コミケも見ておかねば、ということで視察に自らでかけ、たまたま手にした本が角川系のアニメの同人誌(しかもエロ系)だったが、笑って済ませたカリスマ会長が率いる集団だけのことはある。とても期待しています。2009年1月イラクでクランクインって書いてあったからまさに始まったところですね。