東教授に対する佐枝子の言葉(白い巨塔4) 

自分が出来るときに力をかすのは、誰にでも出来ることで、自分が出来ない時にでも、何とかしてさしあげるのがほんとうの尽力というものではございませんかしら・・・

 一般に賞賛される事柄の中には、「一段階上」の人からみれば、当然の前提とされていることがある。むしろ、一般に不能ないしそこまでは求められないような事柄に対してどう向き合うか、ということを「一段階上」の人は考えているのかもしれない。「一段階上」であることを目指す必要は必ずしもないと思うが(むしろ、自分は「一段階上」であると勘違いすることほどイタイものはない)、一般論として、こういう構造は少なくないように思う。
 誰かに、その周りの平均的見解以上の何かを説得する際に利用できるし(そしてその誰かは自分であることが多いだろう)、また、自分の周りの平均的見解に安住しているだけではダメな場合もあるという示唆も啓蒙しうるという点で、有益な気がしたので、備忘録的に、引用した。