簡素な表現 vs 親しみやすい文章

 ピコのブログで簡素な表現について記述があったので、文章を書くにあたって個人的に考えていること(は何ななのかを考察した結果)を書いてみよう。対句的に言うと、俺は「簡素な表現」ではなく「簡易な表現」を使うように心がけているんだなぁーと思う。簡素な表現とは無駄を省いたシンプルなもののことを言うと思うが、確かに、単位文章あたりの情報量は多くなるし、なんとなくかっこいい。俺も、備忘録など努めて簡素に書くものも多い。簡素に書くことで、直接に、意味が正確に伝わりやすい文章になるわけではないが、簡素な表現が正確な達意をも達成する時、その文章からは知性が感ぜられ、いけめんである。名言とか、数学の公式とかがその最たる例であると思う。前にも書いた気がするが、長い文章が名言となることは少なく、短い(つまり簡素に)すぱーんと書かれていることが名言たるための用件だと言ってよいかもしれない。時間っていうものは、金と同じくらい、いや、それ以上に大事なものなんだよぉー・・・っていうより「時は金なり」といったほうがかっこいいしね。
 一方、簡素さの追求は、一般的に言って、親しみやすさの減少を感受せねばならんときが多い。むろん、同カテゴリーの人、似たようなバックグラウンドを持っている人、慣れている人はよいが、閲覧者の多くはそうではない。特に、断定口調の多様は、「いや、それは君が思っているだけだろう」という突っ込みに耐えねばならない。が、ブログで書くことは「筆者が思っていること」であることは当然なのだから、その突っ込みは意味をなさない、との反論がある。この点が、客観的な事実を書くことを建前とする(可能性=仮説に関するものでも)論文などとの違いなのかもしれない。なるほど。
 ではなぜ、自分が簡素な表現を時にあえて避けてまでぐだぐだと書くのかというと、それは、親しみやすさを重視しているからなんじゃねーの、と思うに至った。まぁこれが言いたいがために、メモリ1ギガで動作がくそ遅いビスタで無理無理更新しているわけだ。当然のことかもしれないが、頭の中の思考プロセス(ないしその結果)そのまま文字におこすならば非常に短くできている。数学や工学や法学や麻雀などのテクニカルタームを用いる上に、自分用語も多用するしね。んなわけで、たまにあまりに読みにくい文章(無駄に熟語が多かったり、一文が長かったり)を書いてしまうのだが、それが俺の脳内に近いと言える。
 で、この脳内の思考プロセスを文章として具現化するにあたり、無駄や重複を避けて簡素な表現にまとめていくという整形作業と、無駄や重複を受け入れつつ、なんとなくたれパンダでも読めるような簡易な文章に整形していく作業との両方向があり、俺は後者を取っているのだなぁと。思い返せば、塾講の板書や補助プリントの創り方に関しても講師によって大きく分けて前述の2パターンがあった。ポイントにしぼって簡素にまとめることをよしとする先生がおり、どちらかというとマジョリティーだった。その方が、ポイントが明確になるし、無駄にノートをとらせる時間を省略でき、その分、説明や演習に時間を割けるからだ。ピコが講師をするならば、おそらくこちらのタイプだろう。一方、俺は、マイノリティーながら、板書はたくさんする派だった。補助プリもおおくの生徒が当たり前と思っていることでさえも一応書いておくタイプ。なんでかというと、わらわらとコメントがついてるノートの方が親しみやすいかなぁと思ったから。前者が夜警国家的であるのにたいし、後者は福祉国家的だとも言える。確かに、俺は、授業に関して良くも悪くも実に福祉国家的であったと思う。多分、最上位クラスには向いていないんだろうなぁと思う。
 話を戻そう。・・・戻してみても、もう言うことないやw。文章を書く際の方向性に関する考察が、教え方とかそういったところで出たタイプわけと同じだったあたりに喜びを感じ、とりあえず、書いてみたわけです。ええ、予習します、今から。

 最後に、テクニカルタームって便利だよねーという話をしよう。例えば「ソーズのメンチン目指していたところ、ウーワンきればテンパイという状況で、リャンウーパーワンのオープンリーチがかかり、悶絶」という状況。このシチュエーションは、現実の例でも似たようなことが置きかねないが、そのとき、麻雀を経験しているもの同士だと、この表現一つでリアルに体験が共有できるのである。多分、麻雀やってない人にとっては、意味不明だろう。しかし、別の表現で言うのは難しい上に、いまいち臨場感が伝わらないのです。法学のテクニカルタームで日常生活でも使えそうなものをはけーんしたので、みんなも使ってみてね。

・ 未必の故意:「そうなっちまってもしゃーねーという心理」のこと。例えば、明日一げんあるけど、飲み会の2次会に参加する時とかに使ってみる。遅刻という結果に対して、未必の故意がありますた、など。

・ 過失相殺:「おまいも悪かったんだからそこんとこ考慮してよ」ということ。例えば、集合時間に関してお互い誤解をしていてなかなか会えなかった場合などに使ってみる。じゃ、過失相殺ということで、など。

・ 超法規的違法性阻却事由:「特別に許す事情」ってことかなw。法規(法律)を超えて(無視って)、違法性(悪い子としたでしょ具合)を阻却(なかったことに)するという、もう裏技としかいいようがないww。でも、刑法で出てくる。まぁこれは被告人を処罰しない方向の裏技だから許されてるんだと思うけどね。

・・・・俺、きもいかもしれん・・・OTL