その先に真実がある

新聞その他のマスメディアから情報を得るときには注意すべき点が少なくとも2点ある。その情報には意識的であれ無意識的であれ記者の主張が入っていることと、その情報量は真実の何万分の一に過ぎないのだということ。さて、断片的情報から真実に近づくためには想像力が必要である。例えば、戦争で腕を失った少年の写真があるとき、それを見てただ「かわいそう」と思うのでは想像の射程は0に等しい。彼が今何を思っているのか?彼の両親はどんな表情をしているのか?彼をとりまく周りはどんな様子か?・・・想像すべき事柄はたくさんある。たった一枚の写真でも、じっと見つめ、想像の射程を広げると、そこに深い悲しみと怒りが横たわっている。確かに、想像だけで絶対的真実に到達することは不可能かもしれないし、バックグラウンドの違いから生じる誤解という危険も伴うだろう。しかし虐げられている少数派のことを一生懸命に想像するということは、圧倒的有利な多数派として為すべきことなのではないか、と思う。