造反は、が武士道(忠誠を重んじる)に反するのは確かだが、どんな技を使ってでも自分の信念を貫きたいと思うのが議員の常なのかもしれない。事実、有権者の信任を得て議員になっているのだから、自分の信念を貫くことが正義なのだ、と考えても間違いではないだろう。多くの議員が自身の正義をぶつけあい、議論を重ねることで政策を決定する。このことこそが、民主主義だと考えられるからだ。また、勝てば官軍という言葉が指すように、今は「造反」といわれている人たちも時代が変われば「独裁者に立ち向かった勇敢な救世主」と呼ばれるかもしれない。結局、歴史は勝者が作るんだと思う。その辺はまた、憲法9条で。
 党執行部が対立候補を立てまくる思惑は大きく分けて以下の2つある。1つは焦点を郵政民営化に絞るため、もう1つは話題をつくって世論の支持を集めるため。
 第一点は、首相の郵政民営化への熱意と自信から来る部分と、それ以外の政策(特に外交関係)の自信のなさから来る部分がある。おそらく、衆院で否決されることは想定内だったはずなので、否決後の戦略も周到に練られていたに違いない。そして、戦略的に発せられたのが首相の「郵政解散」という言葉。本来、過去の小泉政権を総合的に判断するべき選挙だが、まるで郵政民営化についてのみ民意を問うているかのように錯覚する人・・・はいないだろうが、民営化賛成→自民党へという流れが出来やすいのは事実だ。さらに、その流れで自民党が再び与党になれば郵政民営化はほぼ確定だろう。何故なら、民意はすでに問うている、と言えなくもないからだ。ここは落ち着いて、総合的に小泉内閣を判断する必要がある。
 第二点は、対抗馬を立てることでそれを各種メディアが取り上げる。必然的に自民党に関する記事が多くなり、自民党の宣伝にもなる。また、首相が造反(裏切り者)と戦う「正義のヒーロー」であるかのような演出による好感度アップの狙えるだろう。事実、一連の戦いははたから見ていてもエキサイティングであり、俺の首相への好感度は高まる一方である(術にかかっている)。また、戦局がエキサイティングになることによって「今回ぐらいは選挙にいこっかな」という人(俺!)が増大する。そういう人は今まで選挙に行かないくらい無関心だったので、優勝間近になると阪神を応援しだすなんちゃって阪神ファンよろしく、ミーハーである(率が高い)。従って、自民党に入れる率も高い。さらに、そういった票によって投票率全体が上がると、「民意を問うた」重みもますので、執行部的には一石二鳥である。
 ところで、小泉首相は「与党で過半数取れなかったら退陣する」といったが、造反議員が再び全員敵に回ったとしても過半数を維持できるので、そんなに大変じゃないやんとツッコンでおく。あと、民営化そのものは不勉強でよくわかってないのだが、米国が毎年日本に送りつけてくる「年次改革要望書」つまり、「米国に有利なようにコレコレの改革してくださいの巻き」で郵政民営化が書かれていると知って、萎えた。日本のみんなで貯めた320兆円という巨額でありかけがえのない財産が、外資に奪われる危険性は避けるべきなのかもしれない。結局、ウミを出すメスとしての改革路線か危険にさらしてはいけないかけがえのないものの保守か、この2項対立に帰着するのかもしれない(よくはわかってない)。
という感じで、今日はあえて小泉反対派のノリで書いてみました。