択一

 平成22年度の択一試験の結果が発表された。基準点と解答が公表されただけで、実際の点数は後日郵送される。だが、マークミスがないならばどのくらいか、という自己採点はできる。自己採点をしてみたところ、今年の基準点(215点)はなんとかクリアしているようだ。けれども、分布(これも公表された)に照らしてみると、余裕で2000番は越えている。つまり、担当式でじゃっかんのビハインドを背負っているわけだ。ここから、論文で巻き返しを図らねばならないのだが、刑訴・憲法特許法で致命的ミスがすでに発覚しているため、もはや奇跡を祈るのみ、という状況にある。ちなみに、確かに、2000番にも届いていないのだけど、特段の択一対策をしなかった俺にとっては、模試や過去問を通じて、最高の出来ではある(普段が悪すぎただけだが)ので、満足はしている。
 ところで、択一がダメだったという友人を幾人が知っているのだが、そのうちの一人は予想外なところから択一落ちを確信したという。それは、択一合格者の最低年齢。例年23歳なのだが、今年は24歳だった。つまり、今年は、飛び級で既修に入り卒業後すぐに新司法試験を受けた人(かつまだ誕生日が来ていない)は、残念ながら一人も、択一に合格できなかったことになる。飛び級で卒業できるということは、相当優秀な成績(ほぼ優)で学部を卒業しているし、その上一発で既修に合格するということは、法律の力は十分にあるはずだ。このセグメントにあたる人がどれだけいるのかは不明だが、一般にかなり優秀な人の層なはずなので、今年なぜ全滅してしまったのかは、かなり謎である。
 何千人もの人が、択一試験で落ちてしまった。彼らの多くは、今日から来年に向けて努力を始めるはずだ。むちゃくちゃ悔しいだろうから、今この瞬間も、必死で勉強しているだろう。択一試験をパスした人は、とりあえず就職活動を行うのだが、例えばこれ一つにしても、もっと必死でやらねばな、と思う。そうでないと、論文試験がダメであったときに、すごく後悔するだろう。なぜなら、今回の択一で落ちた人と同じく来年に戦いの場を移すことになるが、彼らが泣きながら必死で勉強をしていたその時に、俺は、のんびりと過ごしていたことになるからだ。
 誇りをもって、努力を継続するしかない。